世界銀行発行「サステナブル・ディベロップメント・ボンド」の販売を通じた食品ロスと廃棄問題への支援と社会的責任投資への取り組みについて
2019年10月7日
内藤証券株式会社/世界銀行/バークレイズ証券株式会社
世界銀行(国際復興開発銀行、ムーディーズ:Aaa、スタンダード&プアーズ:AAA)はこの度、国内の個人投資家を対象にサステナブル・ディベロップメント・ボンド(開発途上国の持続可能な発展を支える世銀債)を発行し、内藤証券株式会社が販売を行いますのでその概要についてお知らせいたします。今回世界銀行が発行するサステナブル・ディベロップメント・ボンドは、期間3年の南アフリカ・ランド建て債券(発行額:1,900万南アフリカ・ランド)及びインド・ルピー建て債券(発行額:3億7,000万インド・ルピー)で、本債券の単独主幹事には、バークレイズ証券株式会社が指名されました。販売期間は2019年10月7日より11月14日までとなります。
サステナブル・ディベロップメント・ボンドは、世界銀行が開発途上国の貧困削減および開発支援のために取り組む教育・保健・インフラ・行政・農業・環境等の幅広い分野のプロジェクトを支えるために国際資本市場で発行されます。世界銀行は2030年までに「極度の貧困を撲滅」し、「繁栄の共有の促進」を持続可能な形で実現することを使命としており、この2つの目標は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」とも連携しています。
本債券は「食品ロスと食品廃棄問題への取り組みの重要性」に焦点を当てた債券です。世界では8億人以上の人々が飢えに苦しんでいる一方、世界で生産されている食品の3分の1が食品ロス・廃棄によって失われており、その経済損失は年間1兆ドル(110兆円相当額)とも言われています。また、食品廃棄等で排出される温暖化ガスは世界総排出量の8%を占め、国別排出量で比較すると世界第3位に相当する排出量になります。この問題の解決は、持続可能な開発目標※(SDGs12.3)にも掲げられています。
これらの問題を解決すべく、世界銀行は、市場へのアクセスや物流、廃棄物管理等の農業インフラの整備など、開発途上国で多く発生する食料の生産から流通までの過程(サプライチェーン)での食品ロスの問題に取り組むプロジェクトを実施しています。また、これらプロジェクトの事例紹介等を通じて、この世界的な問題に対する人々の意識を高める取り組みを行っています。サステナブル・ディベロップメント・ボンドの資金は、こうした食品ロスと廃棄問題への対処を含む、様々な持続可能な開発プロジェクトへの融資を支えています。
内藤証券は、「豊かな世界と暮らしのために」という使命の下、投資を通じて社会に貢献したいという投資家の皆様の願いと世界銀行が開発途上国で展開する様々なプロジェクトへの橋渡し役を担い、社会的責任投資やインパクト投資を推進するとともに、「持続可能な開発目標(SDGs)」にも貢献して参ります。
※SDGs 12.3: 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる。
世界銀行のプロジェクト事例 ―食品ロスと廃棄問題への取り組み―
フィリピン: 農村開発プロジェクト
フィリピンでは都市化が進む一方、国民の半数は農村部で暮らしています。しかし農村経済は、低所得、低雇用率、食料安全保障の欠如、低競争力、そして全体として深刻な貧困問題といった様々な長期的な課題を抱えています。最大の問題は未整備の交通インフラで、天候によっては、全農村の半分が主要交通インフラを使うことすらできません。農業への新技術の導入も遅れており、収穫後の貯蔵と流通段階での食品ロスも大きな問題となっています。
本プロジェクトでは、農場から市場への道路や橋の整備、作物の収穫後の保管施設や生産設備の建設など、農産物の生産・物流・販売で構成される商品バリューチェーンの強化を行い、同国全体の農業の近代化を目指します。さらに技術支援や市場との連携構築など、小規模農家の市場へのアクセス拡大を支援し、市場価値のある農作物の生産量と農村部の所得の増加を目指します。
世界銀行融資額:6億6459万米ドル
詳しくはこちらをご参照ください。(英語)
https://projects.worldbank.org/en/projects-operations/project-detail/P132317?lang=en&tab=overview
持続可能な開発目標(SDGs)
国際社会の新たな目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」が2015年に国連サミットにて採択されました。今後15年の国際開発における意欲的な目標で、全ての人々に平等な機会を与え、かつ次世代のために地球環境を保護することを目指すものです。国連に加盟するすべての国は、本アジェンダをもとに2030年までに貧困や飢餓・エネルギー・気候変動・平和的社会など、具体的な17の目標の達成を目指します。
世界銀行(正式名称:国際復興開発銀行)について
世界銀行(国際復興開発銀行、通称IBRD:International Bank for Reconstruction and Development)は、1944年に設立が合意された国際開発金融機関で、現在189の加盟国が出資し運営しています。加盟国の公平で持続可能な経済成長を目指し、地域及び世界規模の経済や環境問題に効果的に対処していくために、IBRDは中所得国に対し、貸出・保証、リスク管理サービスに加え、開発に関わる様々な分野の専門的な分析・助言サービスを提供しています。世界銀行の目標は、世界全体の極度の貧困を終結し、すべての人々が共に豊かに暮らせるよう繁栄を共有させることです。世界銀行は貸出資金を調達するために、70年以上にわたり国際資本市場で世銀債を発行しています。世銀債ウェブサイト:www.worldbank.or.jp/debtsecurities
バークレイズについて
バークレイズは、英国および米国を主要拠点とし、個人および法人向け銀行業務、投資銀行業務、クレジットカード、資産管理業務等を提供する金融機関です。325年以上の歴史と銀行としての専門性を備えたバークレイズは、世界40カ国以上に約8万3,500人の従業員を擁し、世界中のお客様に為替、融資、投資、資産管理に関わるサービスを提供しています。より詳細な情報はグループのウェブサイト www.home.barclays をご覧ください。
*上記プロジェクトは、事例のご紹介のみを目的としており、今回の世界銀行債券の資金の活用を上記プロジェクト又はその分野に限定するものではありません。
*本プレスリリースは、世界銀行債券の購入の勧誘もしくは販売を目的とするものではありません。世界銀行債券の販売は、販売を担当する金融機関より交付される販売説明書等に基づき行われます。世界銀行債券の購入の勧誘は、単独または複数の国の法律に準拠して行われており、関係する全ての法律が遵守されない場合は、購入の勧誘もしくは販売を行うことはできません。
*世銀債の発行により調達した資金は、特定のプロジェクトやプログラムへの融資に直接割り当てられことはなく、世界銀行加盟国における全ての融資プロジェクトやプログラム対し均一に活用されます。世銀債の元利金の支払いは、世界銀行の信用力に基づき行われるため、投資家は個々の融資プロジェクトやプログラムのリスクを負う事はありません。
世界銀行発行「サステナブル・ディベロップメント・ボンド」の販売を通じた食品ロスと廃棄問題への支援と社会的責任投資への取り組みについて(PDF)