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バークレイズ、株式への傾斜を推奨

2015年6月29日

【2015年6月29日、東京】  – バークレイズは四半期調査レポート「グローバル・アウトルック」の最新号「Global Outlook: Navigating a lower return environment」を発表し、景気回復が6年以上に及ぶ中、債券と株式のバリュエーションはともに比較的割高な水準にあることから、今後、リターンは低下し、一方、経済は徐々に自律回復に向かうとの見解を示しました。

調査部門統括責任者のラリー・カンターは次のように述べています。「もはや上げ潮ですべての船が浮揚する環境にはない。金融緩和の強力な追い風を受け、株式、債券の価格はともに目覚ましい高水準に達した。現在、景気循環は労働市場が改善し、賃金とインフレが底打ちする局面に移りつつあり、今後は政策支援の規模が縮小することを示唆している。」 

世界景気は1-3月期の停滞から持ち直す見通しで、今後数ヵ月、特に企業収益の高い伸びが見込まれる欧州や日本などの株式がまずまず好調に推移するとみられます。また、今年下期の景気回復に中国が大きく寄与すると予想されることから、ベースメタルなど他の景気敏感資産や新興国株も恩恵を受けることが見込まれます。

今年後半に開始される可能性が高い米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締めは緩やかなペースで進むと予想されます。一方で、欧州中央銀行(ECB)は大規模な量的緩和プログラムを引き続き実行するとみられます。FRBとECBの政策の乖離が拡大する中、ユーロ安が再燃し、いずれパリティを割り込むことが予想されます。

ギリシャの危機、中国の経済成長の減速、FRBの利上げ開始の見通しはいずれも世界の市場にとってリスク要因となります。これらのリスク要因はいずれも市場を不安定にする可能性がありますが、世界経済と金融市場に持続的な影響を与える可能性が最も高いのは世界景気への影響力が大きい中国経済の大幅な減速です。しかし、中国の成長は今年下期に好転すると予想され、今年、大幅な減速が起こる見込みは小さいと考えられます。加えて、FRBの1回目の利上げやギリシャ危機が経済回復あるいは金融市場の動きに水を差すことはないとみられます。

バークレイズの四半期調査レポート「グローバル・アウトルック」は主要国の経済情勢およびグローバル金融市場に及ぼす影響を分析し、投資家向けの推奨をまとめたものです。

バークレイズについて

バークレイズは、個人向け銀行業務、クレジットカード、法人向け銀行業務、投資銀行業務、資産管理業務などさまざまな金融サービスを欧州、米州、アフリカ、アジアといった地域で展開している国際的金融機関です。バークレイズは、人々が目標を実現できるよう、正しい方法で手助けをすることを目標としています。325年の歴史と銀行としての専門性を備えたバークレイズは、50カ国で約13万人もの従業員を擁しています。世界中のお客様に、為替、融資、投資、資産管理などのサービスを提供しています。より詳細な情報は、グループのウェブサイト www.barclays.com をご参照ください。

バークレイズ、株式への傾斜を推奨

Barclays recommends investors lean towards equities