法人関係情報の管理態勢の点検結果について
2012年10月26日
公募増資に係るインサイダー取引事件に絡んだ法人関係情報の管理態勢の不備が相次いだ事態を受け、去る8月24日、日本証券業協会、東京証券取引所自主規制法人、株式会社大阪証券取引所が連名にて株式引受け実績のある証券会社各社に対して点検要請を出しました。この要請に基づいた当社の管理態勢の点検結果について、その要旨をお知らせいたします。
1. 社内管理体制
当社は、引受部門及び法人営業部門の間に情報隔壁(チャイニーズ・ウォール)を設け情報の遮断を図っております。また、コンプライアンス部等の内部管理部門が、両部門に対して、研修による法令諸規則・社内規則等の周知徹底、日々の業務への助言及び取引審査、情報に関する社内規則の遵守状況のモニタリングを行い、法人関係情報の適切な管理に努めております。加えて、内部監査部門が監査を行う際は、情報隔壁の保持や情報が適切に管理されているかについて重点を置いております。
代表取締役・取締役会及び経営委員会は、コンプライアンス・プログラムの承認及び進捗・達成状況の把握を通じて、情報管理態勢の強化を推進し、管理部門からの報告による問題事案の把握・改善指導を行っております。
2. 法人関係情報の管理状況
当社では、法人関係情報の取扱いに関して社内規則を定め、コンプライアンス部が必要に応じて適宜見直しを行っております。また、社内規則及びバークレイズ・グループのグローバル・ポリシーに基づき、役職員が法人関係情報を入手した場合はただちにコンプライアンス部のコントロール・ルームへ報告を行うことを義務付けており、コントロール・ルームよる情報の一元的管理を行っております。それを基に、当社は当該情報を利用した禁止行為(当該情報を利用した勧誘、自己勘定取引、アナリスト・レポートの執筆、個人勘定取引の禁止)が行われている形跡がないかのモニタリングを行い、情報管理態勢及び情報隔壁の有効性を確認しております。
業務上の必要性から引受部門が法人営業部門に法人関係情報を伝達する場合は、事前承認が必要とされており、情報を伝達された法人営業部員には、上記禁止行為をその都度通達し、モニタリグの対象としております。
3. 法人関係情報の管理に関する課題及び取組み
当社はこれまでも法令諸規則・社内規則の周知、啓蒙を目的とした各種研修の実施や、法人関係情報が適切に管理されているかを確認するためにモニタリングや内部監査を行う事により、法人関係情報の適切な管理に取り組んで参りました
しかしながら、最近のインサイダー取引事例や今般公表された同業他社による法人関係情報の管理態勢に関する点検結果を考慮して、当社における法人関係情報の管理態勢の一層の強化のため、以下の3点の取組みを行います。
(1)「推測を招く情報の伝達禁止」の周知・徹底
明示的な法人関係情報のみならず、それを推知させる情報も伝達にあたっては法人関係情報等として取り扱う必要があることを社内規則に盛り込み、推知させる情報の伝達禁止、禁止行為に気づいた場合の報告義務、報告方法を周知・徹底するための研修を、引受部門、法人営業部門、リサーチ部門の従業員のみならず、全社員に対して順次行います。
(2)モニタリングの充実による牽制機能の強化
証券会社からの情報漏洩をもとにしたインサイダー取引が発生している状況に鑑み、売買審査プログラムの見直し、電子メール等のレビュー態勢の強化に取り組むとともに、情報漏洩の抑止を行う観点から上記研修においてモニタリングの実施を従業員に伝えます。
(3)他社における新たな取組みや規制動向への対応
他社における新たな取組み等が判明した場合や、法人関係情報の管理に関する法令諸規則の改正や新たなガイドラインの制定が行われた場合は、必要な取組みを検討し、一層の法人関係情報の管理態勢の強化を図る所存です。