バークレイズ証券、3件目の再生可能エネルギープロジェクトボンドを組成
2019年2月22日
プロジェクトファイナンス形式のグリーンボンドで国内最大規模
バークレイズ証券株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:木曽 健太郎)は2月22日、北海道登別市の太陽光発電事業プロジェクトに対する再生可能エネルギープロジェクトボンドを組成します。2017年8月、2018年4月に発行したプロジェクトボンドに次いで当社として3件目となる本案件は、リニューアブル・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:眞邉 勝仁)をスポンサーとし、北海道登別市で開発・建設中の太陽光発電事業に対するプロジェクトファイナンスローンを裏付とした信託受益権です。
本案件は格付投資情報センター(R&I)より初のプロジェクトボンド向けのグリーンボンド格付(GA1:最上位の評価)及びグリーンボンド原則等への適合性に関するセカンドオピニオンを獲得しており、プロジェクトファイナンス形式で発行された国内最大規模のグリーンボンドです。これにより日本のグリーンボンド市場に、プロジェクトボンド投資家やESG投資をグローバルに展開する複数の大手機関投資家など、新たな投資家層を呼び込むことに貢献しました。
また、本案件はR&Iより「BBB」の信用格付けを取得しています。現行の再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)【注1】の下で、電力会社は電力の需給のバランスを保つために太陽光発電の事業者に対して一定のルールに則って出力の制御【注2】を要請することができますが、本案件は電力会社から「無制限・無補償の出力制御」の要請を受けるメガソーラーを裏付としています。「無制限・無補償の出力制御」の対象となる案件がR&Iより信用格付けを獲得するのは初めてのことです。今回格付機関が「無制限・無補償の出力制御」案件について評価基準を定めたことは大変意義があり、これにより、今後のプロジェクトボンド市場の拡大とそれによる事業者の資金調達手段の多様化、そして再生エネルギー市場の一層の活性化が期待されます。
バークレイズは、2018年SRI・グリーンボンド引受ランキングにおいてトップクラスのシェアを有し、グローバルでESG投資の分野に積極的に取り組んでいます。バークレイズ証券の代表取締役社長 木曽健太郎は、「プロジェクトファイナンス形式のグリーンボンドで国内最大規模となる今回のプロジェクトボンドの組成は、バークレイズの再生可能エネルギー分野における日本での継続した取組みを示すものです。日本のグリーンボンド市場が拡大を続ける中、発行主体の多様化と市場の発展に寄与するグリーンボンドを発行できたことを大変うれしく思います。世界的な課題となっているサステナブル・ファイナンス(持続可能な金融)の促進とその裾野の拡大のために、バークレイズは今後も尽力して参ります。」とコメントしています。
本取引の概要
名称:RJ再生可能エネルギープロジェクトボンドIII 受益権(GB)/ABL
発行金額:総額8,900,000,000円〔受益権(GB) 7,900,000,000円 / ABL 1,000,000,000円〕
発行日:2019/2/22
最終償還日:2041/2/20
受託者:日立キャピタル信託株式会社
対象事業の概要
事業者のスポンサー:リニューアブル・ジャパン株式会社
事業内容:太陽光発電事業の開発、及び完工後の発電事業
所在地:北海道登別市
事業規模:22.00 MW (モジュール規模)
想定年間CO2排出削減量:約15,195トン
【注1】「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT = Feed-in Tariff)」:発電設備の建設コスト回収の見通しを立てやすくすることで再生可能エネルギーの導入促進および普及を図ることを目的に、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度。
【注2】出力の制御(または抑制):再生可能エネルギーの固定価格買取制度において、電力の需給のバランスを保つために電力会社が発電事業者に対して規定の条件下で発電設備からの出力(発電)を停止または抑制するよう要請し、出力量を管理する制度。
バークレイズについて
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