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バークレイズ、2016年の低調なリターンに備えリスク資産に対する中立的なポジションを継続するよう推奨

2015年11月13日

「グローバル・アウトルック」レポートで特に良好な金融環境からバリュエーションは上昇しているが、2016年が進むにつれてより厳しい状況に転じる可能性を予想

【2015年11月13日、東京】  – バークレイズは四半期調査レポート「グローバル・アウトルック」の最新号「Global Outlook : Curb your enthusiasm」で、先進国の経済成長は過去の標準を下回っているものの底堅く推移し、短期的にリスク資産が大きな打撃を受ける可能性は限定的との見解を示しました。しかしながら、2016年が進むにつれて足元の良好な環境に変化が生じるとみられることから、資産価格の上昇は上振れ余地が小幅であることを示唆するとしています。

マクロ・リサーチ部門統括責任者であるアジェイ・ラジャドヒャクシャは次のように述べています。「米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げサイクルの初期段階で世界の金利および株式市場に混乱が生じることはないと予想する。しかし、金融市場が織り込んでいる良好な金融環境-着実な経済成長、低インフレ、緩和的な金融政策-は2016年が進むにつれて持続困難となる公算が大きい。投資家には2016年初めにリスク資産に対して中立的なポジションをとる一方、今年8月の中国に関連した大幅下落のようなリスク・オフ局面に備えるよう推奨する。」

企業利益の循環的回復の可能性は、景気サイクルで先行する米国、英国、日本と比べ欧州大陸のほうが高いものの、欧州株式のアウトパフォーマンスは現地通貨の下落によって相殺される可能性があります。さらに、現時点で新興国株式のアンダーパフォーマンスが明確に終了すると予想するのは時期尚早と思われます。

債券のリターンはFRBの利上げを控えて厳しい状況に直面し、リスク・カーブの中期ゾーンが最も魅力的な投資機会を提供しています。投資適格債は過度に悲観的な見通しを織り込み、最も魅力的なリスク・リターンのトレード・オフを提供していると思われます。資産クラスとしての新興国のクレジッドはデフォルトの増加とテクニカル要因の悪化から、難しい状況となるものの、一部の米ドル建ての新興国のクレジットは投資機会があると思われます。

その他、「グローバル・アウトルック」レポートの主なポイントは以下の通りです。

  • FRBとその他の中央銀行の政策の乖離が拡大し、米ドルは2016年も上昇する可能性が高い。ユーロならびに新興国通貨の多くは対米ドルで弱含むが、対円では軟化しない見通し。
  • 資本逃避先の債券市場ではレンジ内取引が続く見通し;米国10年債利回りは2.1~2.6%、ドイツ10年債利回りは0.4~0.9%で推移すると予想。
  • 消費者を取り巻く環境は世界的に引き続き良好-低インフレ、金融緩和、よりタイトな労働市場-であることから、一部の投資家の懸念に反し、世界的な景気後退に陥る可能性は引き続き低い。

バークレイズの四半期調査レポート「グローバル・アウトルック」は主要国の経済・市場動向を分析し、投資家への推奨をまとめたものです。アジェイ・ラジャドヒャクシャとグローバル・インフレ連動債リサーチ統括責任者、マイケル・ポンドによる最新の「グローバル・アウトルック」のビデオ・インタビューはバークレイズ・インベストメント・バンクのウェブサイトでご覧ください。

バークレイズについて

バークレイズは、個人向け銀行業務、クレジットカード、法人向け銀行業務、投資銀行業務、資産管理業務などさまざまな金融サービスを欧州、米州、アフリカ、アジアといった地域で展開している国際的金融機関です。バークレイズは、人々が目標を実現できるよう、正しい方法で手助けをすることを目標としています。325年の歴史と銀行としての専門性を備えたバークレイズは、50カ国で約13万人もの従業員を擁しています。世界中のお客様に、為替、融資、投資、資産管理などのサービスを提供しています。より詳細な情報は、グループのウェブサイト www.barclays.com をご参照ください。

バークレイズ、2016年の低調なリターンに備えリスク資産に対する中立的なポジションを継続するよう推奨

Barclays suggests 2016 returns will be mediocre and recommends investors stay neutral on risk assets